正しい仏教への信仰を知らない方へ(後生のためには現世が必要)

人に哀願する時に「後生だから」という言葉がある。また物を大切にする意で「後生大事」ともいう。これらは生きる今の悲惨さから後生の安楽を願う人の心を表している。

本来は、前生・今生・後生の三世の因果律の言葉である。今生の苦楽は前生の業によって決まり、後生の苦楽もまた、今生の業によって決まるゆえに、個々の行き方を教えるのが仏の説き示す法理である。

浄土門では後生の極楽往生を願うを説き、現実のこの場所に将来の自分が映っていることを説かない。法華経には「現世安穏・後生善処」と説く。現世に安穏の境界を築き、その先の後生も善処に生まれる約束を説くのである。現実のこの世で苦悩を克服し、安楽境界の実証を獲得する道がここにある。ともに後生を開く真実の道、妙法の信仰を知ろうではないか。

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