蘭室の友に交わりて麻畝の性となろう

お会式での立正安国論のご捧読にて、「汝、蘭室の友に交わりて麻畝の性となる」(御書 248)とある。「蘭室の友」とは高徳の人のことをいう。

香りの高い蘭の部屋にいると、その香りが自然と体に浸透するように、高徳の善人といると、いつのまにかその徳の感化をうける譬えである。また「麻畝の性」とは麻畑の性分のことをいう。本来曲がる性質であるヨモギが麻について真っ直ぐ伸びる様をいう。善良な人に交われば自然に正されることを譬える。

龍樹菩薩は「人には三業(身・口・意)がある。身(行)と口(言)が善行となれば、意(心)も自然に善心となっていく。曲がり草が麻の中に生ずれば、扶けなくても自ずから真っ直ぐとなるように」(趣意)と説いている。法華経の原理もしかりである。身で御本尊に向かい、口で南無妙法蓮華経と唱えるところ、心(命)が変わるのである。一心不乱に御本尊に唱えよう。

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