「道を見失うことのない信心」

ひとりの愚者が成仏の道に迷い、種々の疑問を懐き、仏法の聖者に尋ねた。聖者は一つひとつ懇切丁寧に解答をなし、成仏の道を詳しく示し、愚者の迷いを晴らした。愚者は聖者に「今身より仏身に至るまでこの信仰を退転しません」(御書408 趣意)と決意を告げた。聖者はこれに対し「天魔や外道は仏法をにくみ信心を妨げるが、川の流れを大海が包みこむように、障魔や困難を受け入れ、また薪が火を盛んにするように、信心を盛んにしなさい」(御書409 趣意)と戒めたのであった。これは「聖愚問答抄」の結びである。

信仰の道に入り懸命に身を挺しても、三界六道に生きる垢穢(くえ)の身に苦悩は尽きない。垢穢(くえ)のゆえに成仏の種が見えないのである。難題や挫折は「仏身」を得る種なのである。道を見失うことなきよう信仰に励もう。

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