正しい仏教への信仰を知らない方へ（二枚舌は十悪の一つ）

｢二枚舌を使う｣とは一つのことを二様に言う、また嘘をつく意で使われる。これは仏教の｢両舌｣から生まれれたもので、十悪(十不善業)の一つである。

両舌は二人の者に違ったことを話し、二人の間を裂き、争いを起こさせる。二枚舌は結局、友の信頼を裏切り他人を不幸に陥れるのである。仏教にはその報いを｢両舌は眷属離反し、弊悪の眷属を得る｣と説く。つまり友人、知人から見放され、悪人ばかりの群れの中で究極の不幸を味わうのである。

｢嘘｣から他人をも巻き込む｢破和合僧団｣の罪は甚だ大きい。両舌がいかに仏道修行の支障になるか。また結局自分も人から誹謗され騙される結果となる。仏教説話には、嘘をつくと閻魔大王に舌を抜かれるという。仏法の説く因果律の厳しさを知ることが幸福の原点であろう。