正しい仏教への信仰を知らない方へ（有頂天を考える）

有頂天とは、物事がうまくいつた喜び、得意の絶頂という意味で使われる。有頂天は｢有の天の最高処｣と訳され、三界の中の最高の天界をいう。

三界とは、欲望、その上に物質、さらにその上に精神世界をいう。その精神世界の最高天の世界を｢有頂天｣と名づけるのである。この世界は人智の想像をはるかに超えた不思議なる世界をいい、これが｢喜んで我を忘れる｣に転用されたのである。

仏法では三界を六道輪廻の表れと説く。すなわち地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の境界に流転する迷いの世界をいう。｢魔は天界に住む｣という如く、有頂天の境界のところに魔は潜む。一片の喜びは無常の域であり、地獄の苦しみと背中合わせである。

常住の幸福の源は妙法である。真実の喜びは崩されない人生の歓喜にあることを知って頂きたい。