「往生」とは本来、死後に他の世界へ往き生まれ変わることである。往生という言葉が広まったのは、平安の末期、我が国に末法思想と念仏の教えがおきたことによる。
当時の民衆は政治の破綻と相次ぐ天変により生きる希望を失っていた。そこに、ただ阿弥陀の称名を唱えるだけで幸せな世に生まれ変わる、との念仏が瞬く間に広まった。しかしこの浄土思想は仏の方便であり真実の教理ではないことを知る必要がある。
往生の思想を持った人々は世を厭うだけの「無気力者」となった。そこにある願望は、ただこの世の苦しみを逃れて往生したいのである。念仏は一生を生き抜く心を奪う。このように「往生」という言葉は厭世思想と符合して、あきらめる、身動き不能、困り果てる、といった意味合いで使われるようになったのである。
私たちは立ち往生しない人生を選ぶべきではないか。日蓮正宗 法遍寺をお訪ねください。
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