「花は根にかへり、真味は土にとどまる」

「花は根にかへり、真味は土にとどまる」この御文は報恩抄の末尾のお言葉です。(御書1037頁)大聖人は、花はその元の根に帰り、果実の真味は本の土に留まる譬えをもって、大恩人の師匠、故道善房のもとに、自身の功徳が還りとどまることを示されたのです。道善房は最後まで念仏を捨てきれませんでしたが、大聖人は自らを草木、師匠は大地として、真の報恩のため当抄を認められ、墓前にて弟子に代読させたのです。

華果成就御書には「米の精は必ず大地に還る」(1225頁 趣意)とも仰せのように、私たちの積み上げる妙法の栄養は大地の如き親や先祖に戻るのです。当抄冒頭の「自分が生まれた古塚を忘れない老いた狐」「命を救ってくれた少年を忘れず恩を報じた白い亀」が示す畜生の報恩に劣らぬよう、仏道に精進したいものです。

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